アドエア(フルチカゾンとサルメテロールの合成薬)とシムビコート(ブデソニドとホルモテロールの合成薬)はどちらも喘息治療に使う吸入薬で、アドエアには噴射型のデバイスがあり、息を吸う力の弱い、高齢者や幼児にも使いやすいという特徴があります。シムビコートは、症状によって用量を調節可能で、頓服としても使うことができる点が長所です。
アドエアとシムビコートには共に炎症を抑える吸入ステロイドと気管支を拡張するβ2刺激薬の2種類の薬が入っています。どちらも喘息治療においてよく用いられる薬で、効果に大きな違いはないため、デバイスや用量の違いによって使い分けがなされています。アドエアとシムビコートのどちらが優れているか、という議論の結論は未だ出ていませんが、両者の効果の違いよりも、吸入器を正しく使えるかどうかが、喘息の治療には重要です。
とりわけ、長期にわたって使用している患者さんでは自己流の間違った使い方が癖になっている場合もあり、薬の効き目が不十分になっていることがあります。そのため、薬剤師は、時折、患者さんが吸入器を正しく使うことができているかを確認するようにしましょう。