B型肝炎ウイルス(HBV)は、急性肝炎・肝硬変・肝がんに密接に関連する慢性肝炎を引き起こすウイルスです。今回は、そのHBVを調べる検査についてお話ししたいと思います。HBVのマーカーは、HBVが作り出す抗原であるHBs抗原・Hbe抗原、HBVに対する身体の免疫反応であるHBs抗体・Hbe抗体・HBc抗体の他、HBVの本体であるHBVDNA(ウイルス遺伝子)など様々あります。

HBVに感染した場合、前述したマーカーは血液中に現れる時期に差があるという特徴を持ちます。ですので、これらの検査法を上手く組み合わせる事によって、B型肝炎が慢性なのか急性なのか・感染しているウイルス量が多いのか少ないのか・すでに肝炎が治っているのか等を診断できるのです。

最近では、HBVに複数の亜型(遺伝子型のゲノタイプとも言います)の存在が明らかになり、A~J型までの9種類に分類されています。うち、IはCの亜型になります。A~D型までを測定可能である「酵素免疫測定法」が2011年5月より保険適用となりました。このゲノタイプを知る事により、感染経路や病気の進行具合などをある程度推測する事ができるのです。